第7回 株式会社 High-Family 代表取締役 高井里江さん
好きな事ができるんだから動かないともったいない
「自分のやりたいことをリストアップしています」。大学後の進路を考えるときも、そのリストから。「頭の柔らかいうちに、お笑いに進もうと思いました」。
高井里江さんは、現在、妹・佐和さんとのファッションブランドを広めるために会社を設立。関市を拠点にして活動しているが、ファッションに携わる前は構成作家として東京のど真ん中で活躍していた。
大学卒業後、吉本興業のNSC(吉本総合芸能学園)の構成作家コースに進んだ。40人いた同期は次々と脱落していく厳しい世界。NSCの講師であり、当時放送作家でもあったタレントの木村祐一さんに才能を認められ、弟子を経て構成作家として独り立ちをした。
初めての仕事は劇場。椿鬼奴率いる前衛お笑い集団「キュートン」のライブ台本を書き、同時期には次長課長さんの単独ライブにも企画から参加することができた。初めて自分でオーディションを受けて得た仕事「笑っていいとも」は、猛烈な忙しさであったが、ライブや生放送が好きな高井さんにとってはたまらない時期だったという。
「ボーとしていたら自分のやりたい仕事ができない。せっかく好きな事をできる環境にいるのだから、動かないともったいない」。芸人さんへ飛び込みで営業も行い、楽屋での日常会話でもアピールの場だととにかく行動した。「本当にガツガツしてた」と笑いながら話す。
「人との繋がりが本当に大切」。構成作家をやめた後も、つながりの中から、レストランのプロデュースや翻訳の仕事を行い、活動の幅を広げ続けている。そして満を持して立ち上げたのが、現在の仕事なのだ。
高井さんのリストはまだまだたくさんある。ファッション、農業、女性の自立。「これからも、一つずつ消して行く事が目標です」高井さんの視野はどこまでも広い。(すずき)
「関の子たちにとって縫製業が憧れの職業になることが私たちの目標」
made in SEKI from NY。高井さんが、今年2月に妹・佐和と立ち上げたファッションブランド「sawa takai」のコンセプトだ。佐和さんは、アメリカでの大学時代に、服飾デザインで学生ナンバーワンと言われる賞を受賞している才能あふれるデザイナー。会社ではNYでデザイン、販売を行い、日本主に関市で製作を行う。その総合プロデュースを行うのが里江さんだ。ファッションはやりたいことリストにあった里江さんだったが、まったくの未経験。しかし持ち前の行動力はここでも発揮される。NYへ飛び、アパレルの会社でインターンをして、ノウハウを学んだのだ。現在は、カプセルコレクションを作り、バイヤーへの販促をおこなっている。
「きっと関じゃないとやれなかった」。関には昔から優れた縫製の技術があった。里江さんの身近にも縫製業に携わる人がおり、進めやすかったそうだ。
「縫製屋のみなさんと世界へ向けて高品質のものを発信していきたい。関の子たちにとって縫製業が憧れの職業になることが私たちの目標です」。
株式会社 High-Family
代表取締役 高井里江
sawatakai.com/